皮膚科コラム
【コラム① 塗り薬の適切な使い方について】
2023-05-27
【塗り薬の適切な使い方について】
アトピー性皮膚炎、乾癬、皮脂欠乏性湿疹などの慢性に経過することの多い皮膚疾患では、ご自宅や入所施設での塗り薬(外用剤)を上手に使うことが大切です。
当院皮膚科では毎回の診察で患者さんの皮膚を診察して、十分な治療効果が得られてかつなるべく副作用が発生しないように考えながら、塗り薬の種類や処方量を調節しています。
塗り薬の使用量の目安:
- 1FTU(フィンガーティップユニット)
軟膏やクリームを人差指の第一関節から指先まで出した量の塗り薬(ローションなら一円玉大)を、両手・指のひらを広げた範囲に塗る - ティッシュが皮膚につくか、皮膚のゴワゴワした強い乾燥が和らぎ少しテカる程度に
- これから塗ろうとする皮膚病変に、塗り薬を数か所に分けて置いて、皮膚のシワの方向にやさしく伸ばしましょう。ゴシゴシと擦り込むと、痒みがよけいに強くなったり皮膚を傷つけます。
- 調理用のポリエチレン手袋などを使用すると、広い範囲に上手に塗れます(手袋は毎回使い捨てにしてください)。
- お風呂やシャワーの後、手洗いの後は皮膚の汚れが取れて、角質に一時的に水分が増えていますから塗り薬をつけるベストタイミングです。軽く水滴を拭いてから、乾燥してしまう前に塗り薬をつけましょう。
- 頭皮用のローションは、容器の先から直接つけるのではなく指先に少量ずつ出して、髪の毛の根元を起こして地肌に確実につくように塗布してください。