皮膚科コラム
【コラム④ 夏の時期に多い皮膚の感染症について①】
2023-06-26
- 細菌が原因のとびひ、おでき、蜂巣炎
アトピー性皮膚炎など全身の慢性湿疹のある方、また糖尿病や透析中の患者さんでは、これらのリスクが高くなります。数日間で広がる皮膚の発疹・ただれ(いつもの塗り薬が効かない!)や腫れがあれば、早めに受診して治療を受けましょう(写真:アトピー性皮膚炎に合併したとびひ)。悪化すると、切開して中の膿を出したり、数日間の抗菌薬点滴が必要になるケースもあります。
予防のためには、普段からのスキンケアが大切です。まず皮膚炎のある方は治療をきちんと行ってください。たくさん発汗した後は毎日のシャワーや入浴で皮膚を清潔にし、皮膚バリアを保つため保湿剤を塗布しましょう。
なお、「○○○G軟膏」 というステロイド外用剤を毎日つけている人は、G:ゲンタシンという抗菌薬でかぶれたり、抗菌薬が効きにくい細菌による皮膚感染症を起こすリスクが指摘されています。通常の湿疹・皮膚炎に抗菌薬の塗布は必要ありませんから、今後処方してもらうときは「G」なしの軟膏を希望されることをお勧めします。